ストレス意見聴取会(保安院)と総合的評価検討会(安全委)の傍聴報告
ストレス意見聴取会(保安院)と総合的評価検討会(安全委)の傍聴報告
福島原発事故緊急会議 木村雅夫
2月20日(月)午後の保安院のストレステスト意見聴取会、21日(火)午後の安全委の総合的評価検討会を傍聴したので、概要と感想を簡単に報告します。
二つの組織が大飯原発再稼動への道を必死で進めています。
1 原子力安全・保安院 ストレステスト意見聴取会
日時 2012年2月20日(月)午後15時~18時
場所:経産省本館17階国際会議室(傍聴は別館一階共用会議室)
議事:
(1) 四国電力株式会社伊方発電所3号機に関する一次評価について
(2) 事業者評価結果の概要説明について
(3) ストレステストの審査の進め方について
概要:
入場時と退場時に受付にて別室傍聴に抗議。
まず、市村原子力安全技術基盤課長が、2月13日に大飯原発の審査書を原子力安全委員会に提出したことを報告。これに、井野委員と後藤委員が意見(議論が不十分、答えが不十分、継続審議と理解していた、意見聴取会当初に議論を切らない・十分審議を尽くすことを約しストレステストのあり方への疑問も述べていた、なぜ急ぐのか、2次評価まで実施すべき、2次の事業者提出遅れはなぜ、など)。これに市村課長が委員の指摘は理解、明日の安全委には私も出席するのでいろいろな意見があったことは言うと答えて議論打ち切り。
議事にしたがって(1)、(2)に入る。伊方3号、美浜3号、高浜1号、大飯1号、川内1・2号、玄海2号、志賀2号の計8基のストレステスト結果を駆け足で報告、質疑。
次に(3)ストレステストの進め方を残り30分ほどで。「総合的評価」の呼称と限定された「ストレステスト」に矛盾、利益相反、傍聴者排除、ストレステストの結論は原子力規制庁が示すべき、などの質問に対して、市村課長が以前からの形式的回答。2次評価について「現時点では提出する状況に至っていない、事業者からの提出を待っている。IAEAからもしっかりやるように言われている。しっかり整理する、検討している」と答える。さらに、2人の委員から次の指摘。一次では安全確認にならない、2次評価で放射能の影響評価をしないと住民の判断ができない、ベントの問題が一次で出てこない、斑目委員長が二次評価重視発言、原発安全性への不確実性への踏み込みが不十分、一次の評価だけでやるならそれを国民に説明せよ、製造企業はフェイルセイフの思想で徹底的に安全にするが原発だけはそうではない、など。これらに市村課長がはぐらかす答えに終始。継続的に検討・改善する、審査基準(指針)の策定を別の場で実施している、安全委の確認が取れたら地元に説明し政治レベルで再稼動を判断する、ご意見は審査書に書き込んだ、と。斑目委員長が一次で運転再開が駄目との主旨で話した訳ではないと黒木審議官が話したが、これが両組織のシナリオか。
次回開催日は未定。
終了後、別室傍聴について保安院職員に抗議している間に、井野委員、後藤委員、随行員が到着、傍聴者とカメラの前で会見する。
資料:
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/29/009/240220.html
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/29/800_29_index.html
議事録はまだ。
2 原子力安全委員会 発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価検討会(第1回)
日時:2012年2月21日(火) 14時00分~17時00分
場所:中央合同庁舎第4号館2階 共用220会議室
議題:
(1)関西電力(株)大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する総合的評価(一次評価)に関する原子力安全・保安院の確認結果に対する確認について
(2)その他
概要:
斑目委員長が淡々と議事進行。まずは市村保安院課長が、1次・2次についてはIAEAからも指摘されてより細かく記述するように指摘されている、などの概略説明。前日の2人の委員との約束を破り、委員の審査書提出への異議、もろもろの指摘については何も述べない。傍聴席からそのことに対して再三抗議。
保安院の担当から審査書の説明。保安院と(独)原子力安全基盤機構が関電からヒアリングして審査し、全交流電源の喪失、原子炉及び使用済燃料貯蔵プールの冷却機能の喪失への必要な対策、中央制御室の作業環境の確保、緊急時発電所構内通信手段の確保、高線量対応、水素爆発防止、がれき撤去用重機配備、などの実施を指示したことを説明。あたかもこれらの対策を講じれば福島原発事故と同様の事故が起こらないように説明した。
質疑では、緊急時の作業員の確保をどうするか(陸路、空路、海路)、作業員の技術確保は可能か、発電所全体でどう評価したか(1号機、2号機がどういう状態を想定して評価したか)、シビアアクシデント状態への対策は、2次評価してクリフエッジを明確に、等の質問・意見を(今回新たに選ばれた)外部有識者が述べ、保安院が適当に答えた。
さらに、あらかじめ安全委が用意した7項目の質問事項(事業者独自の努力、技術的背景、共通要因故障・従属要因故障の同定・防止、成功パスの頑健性、シナリオ同定の頑健性、可搬施設による対処の考え方、経過措置の頑健性)を久木田委員長代理が説明。次回に保安院が答えることになる。
これで終わろうとしたので、傍聴席から、2次評価がどうなっているか保安院に問え、市村課長はストレステスト委員との約束を守れ、福島原発事故のストレステストの報告をしろ、などの声が上がったが委員が退場して終了した。
資料:http://www.nsc.go.jp/kaisai/senmon/senmon/120221-hatsuden.htm
まだ配布資料もアップされていないよう。
3 感想
斑目委員長が、前日の記者会見で一次評価では安全性評価として不十分といいながら、政府が一次評価結果で再稼動の可否を判断することに「反対しない」と述べたように、この「総合的評価」検討会での「…確認に係る方針」でも「原子力安全委員会の行う確認は、原子力発電所の運転再開の可否の判断を行うものではない。」と記載されている(会議では説明無し)。昨年夏の泊原発の営業運転再開に向けた検討と同様に、ストレステスト意見聴取会の審査書を「確認」して、再稼動には我関せずと決め込み、後は地元と政治判断にゆだねるつもりであることが、傍聴席からの不規則発言を無視する委員長の態度で明らかになった。
あと2回ほどで「確認」し終わるのかも知れない。抗議行動と傍聴と他の種々の運動を強めて、何としても前回の泊原発と同様の結果にしてはいけない。
以上
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